基本的なコンテナ荷下ろしの方法と手順【デバンニング】

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コンテナに積まれている貨物をパレタイズし、格納する。この一連の作業をデバンニングと言いますが、非効率であると作業時間が伸びたり人件費上昇に繋がるなど、深刻な問題になり得ます。

次の手順を確認し、非効率なデバンニングを行っていないかチェックしてください。

テーマ:海上コンテナからのデバンニングの方法とその手順について

海上コンテナ-デバンニングの手順

1.コンテナを開ける

コンテナを開ける際には貨物の落下の可能性がある為、必ず片方だけをゆっくりと開けていきます。左右両方を同時に開けようとすると大規模な荷崩れに対応できません。

2.コンテナ内に異常が無いか確認する

コンテナを開けたら荷崩れだけでなく、その他異常が無いかを確認します。害虫の有無や水濡れ・破損品の有無などを最初に目視で確認します。また、コンテナを開けた時に臭いがする場合は、コンテナ洗浄の為の薬剤が残っている可能性があります。作業員の深刻な体調不良に繋がりますので、こうした場合はコンテナをしばらく開けたまま放置して臭いが取れるのを待ちます。

事前にコンテナを開けておく事は、コンテナ内の気温低下にも役立ちます。

3.パレットをコンテナ前に複数枚設置し、足場とする

コンテナを開けた段階では、コンテナ内に足の踏み場が無い為、最上段の貨物を取る事ができません。その為、作業員が最上段の貨物を取る事のできるようにパレットをコンテナの前に複数枚設置し、足場とします。

コンテナ貨物が天井付近まで積まれていない場合はこの手順は必要ありません。

4.パレタイズ開始

パレタイズの基本

  • パレットから荷物がはみ出ない
  • 荷崩れしない積み方

パレタイズのパターンについては以下のサイトを参考にしてください。

■パレットの積み方の種類とは?

■パレットへの積み方を解説!(画像有り)

荷崩れしない為に1段ごとにパレットパターンを変えるのが基本です。1段目と2段目を全く同じ積み方で積みことを俗に「棒積み」と言いますが、これを1パレット全てに適応すると荷崩れの原因になり得ます。

ただ、1段目と2段目を棒積みにし、3段目と4段目を違うパターンで棒積みするというやり方は状況によっては適切です。

あくまでも荷物の大きさ、重量など色々な要素を見極め判断する事が大事です。

デバンニング作業の効率化チェック

デバンニング作業を効率化し、作業時間を短縮する為に以下のポイントをチェックしてください。

ポイント1.適切な人員の配置

デバンニングにおける適切な人員数を把握し、各ポジションに配置します。

各ポジション 最大人数
1.荷下ろし及びパレタイズ 2~4名
2.フォークリフト 1名
3.ラップ巻き、その他(破損品の仕分け、ゴミの回収)※省略可 1名

3の人員は省略可能となります。その場合、2のフォークリフト作業員が3の作業を行う事になります。

多くの場合、デバンニングにおける適切な人員数は2~5名となります。(フォークリフト含む)

例えば1のパレタイズのポジションに多くの人員を配置すると、各人員が役割を意識できずに作業効率が下がり、作業時間が伸びる場合があります。

デバンニング時の適正な人員数と時間については別ページを参照してください。

■デバンニングの適正人員数と時間

ポイント2.荷下ろし作業がコンテナ奥部になったら、パレットローラーもしくはドックレベラを使用する

作業員の荷下ろし作業がコンテナの奥部に差し掛かったら、パレットローラーもしくはドックレベラを使用します。

パレットローラー

使用用途:パレットを載せ、コンテナ入口付近まで移動させる

ドックレベラ

使用用途:フォークリフトがコンテナ内部まで入れるようにする

パレットローラーとドックレベラどちらを使用するべきなのか

パレットローラーとドックレベラ両方の使用が可能な場合は、多くの場合貨物の内容を考慮して判断します。貨物が重量物の場合は1パレットの重量も比例して上がります。その為、その重いパレットをパレットローラーを使用して手作業で押すと作業員に非常に負荷が掛かります。

また、パレットローラーは手で押そうとする時真っすぐに行かず、斜めになりコンテナ壁部に当たってしまうようなケースがあります。

壁に当たる事により荷崩れ・または貨物の損傷に繋がります。

つまり、貨物が重量物である、もしくは1パレットの積載数が多い場合は、ドックレベラを使用しフォークリフトでパレットを引いた方が安全かつ効率的と言えます。

ポイント3.フォークリフト作業員が全体の指示や進捗状況を把握する

進捗状況の確認や全体の指示を行うのはフォークリフト作業員が適切です。理由は以下の通りです。

■パレットの積み付けを行っているので今現在どのくらい作業が終了しているのか容易に把握できる
■パレタイズは特に夏場などは過酷であるため、そのポジションでは冷静な指示や把握が難しい

デバンニングを効率化する為に、フォークリフト作業員がするべき事

デバンニングを安全かつ、効率的に行う為にフォークリフト作業員は以下のポイントを押さえて下さい。

■荷崩れが発生しそうな状況ではないか、常に監視する
■コンテナ内に複数の種類(ロット)の貨物が有る場合は、予定入庫数と合致しているか確認する
■積み付けの為の空パレットをパレタイズ要員が取りやすい位置に常に準備する
■コンテナ内のゴミの片付けなど、パレタイズ作業員のフォローをする

ポイント4.コンテナ内の照明を確保する

コンテナ内の明るさを保つのは非常に重要です。

ロットや種類、破損品の確認の為です。磁石付きのLEDライトを用意し、コンテナ壁部に取り付けて使用します。

ポイント5.作業時間をデータ化し、効率化をチェックする

最後に効率化を確認する為に、作業時間をデータ化して統計を取ります。

必要なデータは以下の通りです。

■作業人数
■貨物数
■貨物内容(種類)
■デバンニング作業の開始時間
■デバンニング作業の終了時間

これらの統計を取り、作業時間の波が無いかどうか常に確認していきます。ある程度の統計が取れたら、貨物内容ごとの適正時間を設定し、作業員に周知し、時間内で終わる事を目指します。

最後に

デバンニングの効率化の為のポイントをまとめます。

■デバンニング手順の把握
■適切な人員の配置
■パレットローラー、ドックレベラの使用
■フォークリフト作業員の役割の把握
■作業時間のデータ化

以上のポイントを押さえ、効率的なデバンニングを目指してください。

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