倉庫業における業者外注時の流れ・契約方法

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倉庫業における業者外注の際の契約までの流れをご説明いたします。

業務を外注する例が増えている

近年倉庫・配送センターにおいて業務を専門業者に外注する例が増えています。その理由は以下の通りです。

1. コスト削減と効率化

専門業者に業務を外注することで、固定費を変動費に置き換えることが可能です。人件費や設備維持費を削減し、必要な時に必要なリソースを利用できるため、コスト効率が向上します。また、専門業者は効率的な作業手順や最適化されたプロセスを持っているため、全体の業務効率も向上します。

2. 専門知識と技術の活用

物流業務は高度な専門知識と技術を要します。専門業者は最新の技術やノウハウを持っており、在庫管理や入出庫作業の精度とスピードを向上させることができます。

3. 需要の変動への柔軟な対応

季節やキャンペーンなどによって需要が変動する場合があります。専門業者に外注することで、こうした需要の変動に柔軟に対応できる体制を整えることができます。例えば、繁忙期には人員や設備を増強し、閑散期にはリソースを減少させることが可能です。

4. コア業務への集中

自社のコア業務に集中するために、物流業務を外注する企業が増えています。自社のリソースを本業に集中させることで、競争力を高めることができます。物流業務は複雑で時間がかかるため、これを専門業者に任せることで、本業に専念できる環境を整えることができます。

5. リスクの分散

物流業務には多くのリスクが伴います。例えば、事故や盗難、自然災害などです。外注することで、こうしたリスクを分散し、専門業者が持つ保険やリスク管理のノウハウを活用することができます。

実際の契約の流れ

ではここから業者へ外注した際の実際の契約までの流れをご説明いたします。

1. ニーズの確認と要件の整理

まず、自社の入庫作業の具体的なニーズや要件を整理します。例えば、取り扱う商品の種類、数量、入庫の頻度、必要な機器や設備、作業の時間帯などを明確にします。これらは業者とのやりとりの際に必要になります。

2. 業者の選定

ニーズに合った業者を選定します。主に以下の2つの方法で業者を探すことができます。

業者を探す方法

  • インターネットで検索し、倉庫作業の外注業者をリストアップ
  • 既存のビジネスネットワークや取引先からの紹介

業者選定時の注意事項

  1. 専門的な知識・ノウハウを持っているのか
  2. 契約締結までの流れ・フローが明確であるか
  3. 信頼のおける業者であるか

特に3の信頼のおける業者であるかは非常に重要です。ホームページにて、事業内容や
会社概要を確認し、業者が外注する業務に対してノウハウを所有しているのか確認してください。

3. 問い合わせと見積もり依頼

候補となる業者に問い合わせをし、具体的な作業内容を伝えて見積もりを依頼します。見積もりには以下のポイントを含めると良いでしょう。

問い合わせ・見積もり時の確認事項

  • 作業範囲と具体的な内容
  • 必要な機器や人員
  • 作業スケジュール
  • コスト

特に作業範囲を明確にしておかないと実際の業務開始時に混乱を招く恐れがあります。

例:入庫時のデバンニングを外注する場合(業者へ依頼する業務内容)

  • 海上コンテナの扉のシーリングバンドを切断し、扉を開封。
  • 中の貨物を荷降ろし、パレタイズ
  • フォークリフトにて所定の場所へ格納
  • コンテナの清掃・トラックドライバーへ受領書の引き渡し

上記が入庫時のデバンニング(海上コンテナ荷降ろし)を外注した際の業者の業務区分の例です。

シーリングバンド・コンテナ番号のチェックは倉庫側が行っています。

このように事前にどこまでを業務として外注するのか事前にやりとりで決めておく必要があります。

4. 業者との面談・ヒアリング

3で確認した事項をもとに、業者と面談を行いやりとりを行います。ここでは業者の実績、対応可能な作業範囲、品質管理の方法、安全対策、保険などについて確認します。

5. 提案内容の比較と検討

複数の業者からの提案を比較し、自社のニーズに最も合った業者を選定します。コストだけでなく、信頼性や品質も重要な要素です。

ワンポイント:入庫時のデバンニングを外注するときの業者選定

毎日の入庫コンテナを複数の業者に依頼している倉庫も増えています。これは業者のリソースの問題、倉庫側のリスクヘッジの問題などに起因しています。

6. 契約条件の確認と調整

選定した業者と契約条件の詳細を確認し、調整します。重要なポイントは以下の通りです。

契約時の注意事項

  • 作業内容と範囲
  • 料金体系と支払い条件
  • 作業スケジュールと納期
  • トラブル対応や保証に関する取り決め
  • 契約期間と更新条件

特に契約に関しては、トライアル期間というのを設けるケースも目立ちます。トライアル期間に問題が無い場合、長期間の本契約に移行するという流れになります。新規業者との契約の際はリスクを回避する為にこの手法が最善です。

8. 初回の作業とフィードバック

契約後、初回の作業を実施します。作業の進行を監視し、問題があれば業者と迅速に連絡を取り合い、解決策を見つけます。初回作業後には責任者と面談を行い、必要に応じて改善を依頼します。

9. 定期的なレビューと改善

定期的に業者との作業内容や進行状況をレビューし、必要な改善点を共有します。長期的な協力関係を築くためには、コミュニケーションを継続的に行うことが重要です。

このようにして、入庫作業の外注を効果的に行うことができます。外注業者との良好な関係を築き、自社の業務効率を向上させるためのポイントを押さえておきましょう。

埼玉県のデバンニング業者一覧

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